2010/07/30

『TV Bros』にリチャード・オバリー氏のインタビューが掲載されました

全国で上映中の映画「ザ・コーヴ」を通して一番伝えたかったことは何なのか、世界各国で40年以上イルカ解放運動をしてきたオバリー氏のコメントの他、日本におけるイルカ猟や捕鯨について、「ザ・コーヴ」のウィキペディア添削、様々な観点でとらえ検証するとても興味深い内容です。

中でも元日本捕鯨協会鯨研究所研究員で、水産庁出身の粕谷俊雄氏は取材の中で、「イルカ猟は今の世代で終わらせるべきでは」と述べています。それは太地町でイルカ猟をして生計を立てている人達や、生け捕りにし調教したイルカを売買している背景を踏まえた上で、水銀問題や生態系・動物多様性への懸念などがその理由としてあげられてました。


このような内容が記述されていた。

水銀問題:イルカの食品に含まれている水銀が基準値よりもはるかに高いというのは研究者の中では常識なんだとか。食物連鎖の上位にいる海洋生物で、寿命が長いイルカは当然水銀値が高くなる。

生態系:種としての数の減少の要因は、捕獲以外にも様々な要因があるが、イルカは繁殖率が低いことから、増えるのに時間がかかる。知能の高さ、寿命の長さ、伝達手段、親子が一緒に暮らす習慣を全て備えているイルカや鯨は経験の蓄積によって固有の文化を持つ事ができる。学習によって獲得した文化を世代を通じて蓄積していくが、群れごと根絶やしにすることでそれが失われ、種全体の適応能力を落とす可能性がある。


イルカ食の文化があることは事実ではあるが、様々な検査結果から高い水準の水銀が確認されている以上、水銀被害が出ていないことが「安全」ではないと思う。狂牛病や中国産の餃子事件、食品の偽装表示や不正表示などなど、「食」に関する規制は厳しいはずの日本が、イルカ肉の水銀汚染に関して妊婦さんへの注意事項として制限するのみになっているのは何故だろうか。とても疑問に思う。

参考資料:
TV Bros 7月24日〜8月6日号